プロジェクト研究「凝集体生命圏」が始まります

生元素動態分野の永田俊教授を代表とするプロジェクトが始まりました。以下にその概要を紹介します。

海水中の小さな粒子が固まって凝集体(マリンスノー)が生成します。凝集体は、大きくなったり小さくなったりしながら、ゆらりゆらりと海底に沈みますが、それによって大量の炭素が海洋の表層から深層へと運ばれます。実は、このことが大気中の二酸化炭素濃度の調節や、ひいては地球の気候にも影響を及ぼすのです。では、凝集体はどのように生成し、発達し、崩壊するのでしょうか?

近年、凝集体には驚くほど多様な微生物が生息していること、またそれらが凝集体の生成・発達・崩壊に強く関与しているらしいということが分かってきました。しかし、その生物・物理学的な機構は明らかではありません。

そこで、私たちは、凝集体を生息場とする微生物(原核微生物、真核微生物、ウイルス)の群集全体を「凝集体生命圏」として新たに概念化し、凝集体の生成・発達・崩壊に関わる主要な制御要因として研究することにしました。凝集体生命圏の複雑な振る舞いに対し、粒子動態、炭素循環、微生物・遺伝子解析、生物情報科学、数理モデリングといった異分野の研究者が集まって研究を進めることで、新たな切り口から理解を深めます。それを通して、これまで見逃されていた凝集体生命圏による炭素鉛直輸送の制御機構を解明することを目指します。

凝集体を舞台にした、さまざまな微生物たちの相互作用のドラマを探り、それが広大な海で起きている大規模な炭素循環をどのようにしてコントロールしているのかを解き明かしたいと考えています。

本研究は、JSPS科研費基盤研究S「凝集体生命圏:海洋炭素循環の未知制御機構の解明」(R1 – R5)の支援をうけて実施されます。

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