学会発表:2016 Ocean Sciences Meeting (ニューオリンズ)でポスター発表

2016年2月21日~26日にニューオリンズで開催された Ocean Sciences Meeting で、中深層におけるゲル状粒子の分布について、ポスター発表を行いました。透明細胞外ポリマー粒子 (TEP) は、海洋中に存在するゲル状粒子の主要なカテゴリーの 1 つで、炭素を多く含み、炭素循環や食物連鎖に関わることが知られています。これまで、TEP の中深層 (>200 m) における分布やその役割はほとんど明らかにされてきませんでした。本研究では、白鳳丸航海によって得た太平洋亜熱帯域・赤道域のサンプルを分析し、1) TEPは鉛直的にほぼ一様に分布している (0-5000 m)、2) TEP に含まれる炭素量は、中深層における粒状態炭素量と比較して非常に多い、ということを明らかにしました。この結果はTEPが海洋の中深層において、炭素の輸送媒体や微生物の栄養源として重要な役割を果たしている可能性を示唆します。今後は他海域との比較を行いつつ、ゲル状粒子の中深層における役割を理解することが重要だと考えます。

アメリカ本土で行われた本学会は、生物海洋学の分野の中では、最も規模の大きいものの1つで、海洋に関する数多くの研究が発表され、活発な議論がなされていました。海洋微生物分野の世界的に著名な先生方とディスカッションできたのが、非常に刺激的でした。

(PD 山田)

発表されたポスター:

Y. Yamada, T. Yokokawa, H. Ogawa, T. Nagata, “Gel-like particles dominate particulate organic carbon in the ocean’s interior – Evidence from subtropical and equatorial regions of the central Pacific” Ocean Sciences Meeting, New Orleans, USA, 24th February, 2016(21-26)

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ポスター会場の一部

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会場近くのミシシッピ川に架かるCrescent City Connection橋

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