活動報告:新青丸、出港前の積込みの様子をレポートします。

2016年11月10日~17日新青丸航海(KS-16-18次航海: 巨大津波による三陸沿岸生態系の撹乱とその回復過程に関する研究)が行われます。生元素動態分野からも永田教授が乗船します。

この活動報告では、新青丸の様子と、石巻港での、航海のための荷物の積込みの様子をレポートします。

今回の航海では、11月10日に石巻港を出発し、女川湾や大槌湾の沖で観測を行い、11月17日に石巻港に帰港します。

新青丸は全長66m総トン数1629tの中型研究船で、全国共同利用の学術研究船として日本近海の調査研究、特に2011年3月11日に起きた東北太平洋沖地震の海洋生態系への影響およびその回復過程の研究に活躍しています。

 

乗船

まず、船の入り口で乗船者の登録を行い、ネームカードを受け取って船に乗り込みます。安全のため、全員ヘルメットを装着します。

 

積込み

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船脇に寄せてあるトラックから、バケツリレーのように荷物を積み込みます。荷物はまず、一番広い実験室に運ばれ、そこから用途により振り分けられます。

 

実験室

ここが実験室(ウェットラボ)。一週間の短い航海ですが、荷物でいっぱいです。
 

 

船には様々な装置や機能が備え付けられています。我々の分野で一番よく使う装置がこの採水器です。

上下の蓋はワイヤーでつながれたレバー式で、蓋の開閉は船上のコンピューターを使って行います。

この採水器には、全部で24本のボトル(ニスキン・ボトルといいますが、これはニスキンさんという人が考案したためそう呼ばれているそうです)がついていて、ボトルごとに採取する水深を設定することができます。

 

そのほかにも、気象レーダーや魚群探知機、船の位置等、様々な情報を船上の実験室で確認することができます。

 

それでは、船の中の生活について少し触れてみましょう。船には研究者達の生活を快適に保つための設備が揃えられています。

調理室・・・メニューは居室の端末から閲覧可能です。

一般居室・・・一人に一つ机があり、奥には二段ベッド。二人部屋です。

主席研究員室・・・奥にはミーティング用のテーブルセットもありなかなか広く快適。1人部屋です。

 

洗濯室・・・洗濯機と乾燥機が4台ずつ。
 

浴室・・・湯船もあり、24時間入浴できます。

少し前まで、船の上で真水は貴重なものでしたが、この新青丸は海水を蒸留して真水を作り出す装置がついているため、不自由なく洗濯や入浴が可能になりました。もちろん、実験室でも真水を使うことができます。

 

積込みと見学を終えて...

新青丸などの共同利用研究船で調査を行うには、まずは調査計画を提出し、審査を通過したもののみが調査することができます。その倍率は非常に高く、調査を実行するためには精度の高い計画書を作る必要があります。また、もし採択されても、荒天等のやむをえない理由により、計画通りに調査ができないこともあるそうです。綿密な計画、丁寧な準備、天候などのコンディションが合わさって初めて調査が実行できるというわけです。今回の航海が順調に進むことを祈っています。

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