フィールド研究: 大槌湾「突堤」観測を実施しました

大槌湾に浮かぶ蓬莱島(通称ひょうたん島)は、突堤で陸とつながれています。この突堤は2011年の大津波で破壊されてしまいましたが、その後、写真にあるように立派に再建されました。突堤からは簡単に採水ができるので、大槌湾の状態(水温、塩分、栄養塩類のほか、プランクトンや環境DNA)をモニタリングするうえでは、とても好都合です。しかし、突堤から採集した海水に、どの程度の「代表性」があるのかは、慎重に調べる必要があります。私たちは、このような観点から、突堤周辺の詳細な海況調査を進めています。将来的にはこのような観測結果と数値モデルを比較することで、突堤からのモニタリングの高度化を図ります。とても地味な研究ですが、10年後、20年後を見据えた長期的な観測を視野にいれて、しっかりとした基礎を固めたいものです。(永田 俊)

2018年5月23日に実施された突堤観測(これと同時に、国際沿岸海洋研究センターの調査船「グランメーユ」での観測も実施しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突堤から約80m沖にかけての塩分の断面分布。表層には河川水の影響を受けた低塩分の海水があるのがわかります。

 

 

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