学会発表:日本海洋学会2016年度秋季大会で口頭発表@鹿児島大学
2016年9月11日~15日に鹿児島大学にて開催された 日本海洋学会秋季大会で、黒潮流軸付近における粒子サイズ分布 (Particle Size Distribution; PSD) について、口頭発表を行いました。
粒子サイズ分布は植物プランクトンの群集構造などの粒子群特性を表しますが、特にその傾き(以下、PSD slope)は大小粒子の相対的寄与を示し、地点間や海域間の粒子群比較に用いられます。本研究では、黒潮流域における粒子 (直径数µmから100 µmほど) 量を現場型粒子量・粒子サイズ測定器 (LISST) を用い測定し、PSD slope を求めた後、他の環境パラメータと比較・解析しました。
結果は、粘着性の高い透明細胞外ポリマー (TEP) の濃度上昇に伴い、PSD slope が低下する (大型粒子の相対的寄与が増大する) というもので、TEPは本海域で PSD slope の変動要因として大きく影響している可能性を示しました。今後は他海域における観測結果との比較等を通じて、PSD slope の規定要因について更なる検討が必要です。
(山田 洋輔、福田 秀樹、永田 俊 「黒潮流軸付近において現場型光散乱・透過率粒子測定計で検出された粒子の鉛直分布と粒子サイズ分布」 日本海洋学会2016年度秋季大会 (セッション:16F_I02 黒潮の海洋環境と生物生産) 2016 年 9 月 14 日)
今回は上記発表の他、若手が集まるナイトセッションにコンビーナーの1人として参加し、総合司会をする機会を頂きました。つたないながらも、比較的活発な議論を促すことができました(できたと思います。。。)。大変貴重な経験ができました。
(特任研究員 山田)
ちょっと一休み…(天文館むじゃきのスペシャル白熊)